こんにちは、DangoProject の Dango です。ボカロPとして音楽を作ってきた自分が、いまビジュアルノベル『魔法少女レベリオン』を制作しています。
この連載では、「ビジュアルノベルの書き方」を、実際に作りながら1本ずつ共有していきます。企画・キャラ・シナリオ・演出・ツール・公開まで、順を追って。第1回はまず、そもそもなぜ作ろうと思ったのかという話から始めさせてください。
昔から、ビジュアルノベルが好きだった
物語と、音楽と、絵。それがひとつの体験になって、プレイヤーの中に残る。ビジュアルノベルのそういうところが昔から好きで、遊ぶたびに「いつか自分でも作ってみたい」と思っていました。この"憧れ"が、そもそもの出発点です。
作るのに必要なものは、実はほとんど揃っていた
いざ振り返ってみると、ビジュアルノベルを作るための材料は、自分の手元にかなり揃っていました。
- 音楽:ボカロPとして活動してきたので、自分で作れる
- イラスト:長年一緒に活動してきた相棒・りたさんがいる
- 物語:曲を書くときも、まず世界観を描いてから歌詞を書くタイプだった。その"世界を立ち上げる"作業の延長で、長編の物語を書き始めた
つまり「作品の中身=創作」の部分は、自分と仲間で用意できる状態だったんです。とくに物語は、いきなりゼロから始めたわけではなくて、ボカロPとしてずっとやってきた"世界観から作る"曲づくりが、そのまま長編シナリオの土台になった感覚でした。
唯一のネックは「プログラムに割く"時間"」
シナリオや音楽や絵を"実際に動くゲーム"にするには、実装=プログラムが必要です。
プログラム自体は、自分でも書けます。5〜6年ほどの経験があって、一般企業でプログラマをしていた時期もあるので、コードを書くこと自体は問題ありません。
ネックだったのは、"スキル"ではなく"時間"のほうでした。自分の時間をプログラムに割けば、その分、音楽が作れなくなる。 個人でビジュアルノベルを作ろうとすると必ずぶつかる、「一人だと、全部に手が回らない」という壁です。ここで止まってしまう人は、きっと多いと思います。
そこに、Claude Code があった
自分は本業がSE(システムエンジニア)で、仕事でも Claude Code をかなり使い込んでいます。使ってみて分かったのは、"自分で書けるコードを、圧倒的に速く形にできる"ということでした。
つまり Claude Code は、足りないスキルを埋めてくれるものというより、書ける自分の実装を高速化して、"時間"という最後のネックを外してくれる存在だったんです。プログラムに取られていた時間を、音楽やシナリオに戻せる。そう思えたとき、「いつか作りたい」が「作れる」に変わりました。

決めたこと:AIは「使い方」が大事
そのうえで、自分の中ではっきりさせているスタンスがあります。AIを創作から完全に締め出すのではなく、”どう使うか”を大事にする、ということです。実際、プログラムはAIに書いてもらっていますし、この先シナリオの組み立てなどでも使っていきます。ゼロか100かではなく、どこに・どう使うかが大事だと思っています。
自分の線引きはこうです。AIに手伝ってもらうのは“構造”や“実装”の部分。一方で、「何を描きたいか」の核——物語の芯や、音楽・イラスト・動画そのもの——は、自分と仲間の手で作る。作品の“魂”は人が握って、AIには構造や実装で伴走してもらう。この距離感は、この先もぶらさずにいきます。

次回
次回は「企画とコンセプトの作り方」。"何を書きたいか"をどう見つけるか、というところから話します。
最後にひとつ。あなたが「作りたいけど、何かが足りない」と感じているもの、それは何ですか? もしその理由が"プログラム"なら、この連載がその背中を少しでも押せたら嬉しいです。
感想・質問はお気軽に!
この記事を読んで気になったこと、聞いてみたいことがあれば、ぜひ教えてください。
- X(Twitter)の @DangoProject へDM
- 匿名で気軽に聞ける マシュマロ
いただいた質問は、今後の記事のテーマにさせていただくこともあります。
DangoProject
ボカロP / ギタリスト / ノベルゲーム制作者(社会人兼業クリエイター)
