はじめに
ボカロPとして活動しながら、自分でも歌ってみたを2本出しています。
1本目は「警報のあった日」のカバー、2本目は「勇気爆発バーンブレイバーン」の演奏しながら歌ってみたです。作る側と歌う側、両方を経験したことで見えてきたことがある。それをまとめておきたいと思いました。
単純に、楽しかったのでまた出したいとも思っています。
この記事から始まる全5回のシリーズでは、歌ってみたを始めたい人向けに、機材・録音・MIX依頼・投稿まで順番に書いていきます。第1回の今回は「歌ってみたとは何か」「何が必要になるか」の全体像をお伝えします。
歌ってみたとは何か ― あらためて整理する
歌ってみたとは、既存の楽曲(主にボカロ曲)を自分の声でカバーして、動画として投稿するコンテンツです。ニコニコ動画から広まった文化で、今はYouTubeと合わせた2択が主流。投稿後にXで告知して広めるのが、今の歌い手さんのスタンダードな動き方になっています。
一見シンプルに見えて、実は複数の工程が組み合わさっています。
- 録音 ― 自分の声を収録する
- MIX ― 録音した声をオケに馴染ませる音響処理
- 動画制作 ― イラストや映像と組み合わせる(省略可)
- 投稿 ― プラットフォームにアップロードする
最初から全部一人でやる必要はありません。MIXは外注できるし、動画はスライドショーで済ませることもできる。自分でやる範囲を決めて、それ以外はプロに頼むという考え方が現実的です。
実際にやってみてわかったこと
ボカロPとして曲を作り続けてきた中で、歌ってみたは少し違う体験でした。
1本目の「警報のあった日」は、ニコニコ動画の歌ってみた企画でステムを共有していただけたので、DAW上で自分の声とMIXして仕上げることができました。2本目の「ブレイバーン」はオケから自作しています。どちらも作曲でDAW操作に慣れていたからこそスムーズに進められた部分が大きい。自分の生声を使うという点で、ボカロ曲とはまた違う緊張感がありましたが。
やってみて感じたのは、「出してしまえばなんとかなる」 ということです。完璧な録音環境も、プロ級の歌声も、最初から必要ない。ボカロ曲を13作出してきた経験と全く同じ感覚で、最初の一本を出すことに意味がありました。
最初に全体像を知っておくだけで動き出しやすくなるし、MIXerさんへの連絡もスムーズになる。このシリーズはそのために書いています。
全体の流れ ― 5ステップで理解する
歌ってみたを一本仕上げるまでの流れを整理すると、こうなります。
STEP 1: 機材・環境を揃える
マイク、オーディオインターフェース、DAW(録音ソフト)。最低限これがあれば録れる。(→次回#02で詳しく)
STEP 2: 音源(オケ)を入手する
歌いたい曲のカラオケ音源を手に入れる。公式配布・ピアプロなど入手方法はいくつかある。(→#02で詳しく)
STEP 3: 録音する
オケを聴きながら歌い、DAWで声を収録する。テイクを複数録ってベストなものを選ぶ。(→#02で詳しく)
STEP 4: MIXを依頼する
録音した声のデータをMIXerさんに渡し、オケに馴染んだ状態に仕上げてもらう。(→#03で詳しく)
STEP 5: 投稿する
完成した動画・音声をニコニコやYouTubeにアップする。(→#05で詳しく)
最初に決めておくと楽なこと
「何を歌うか」を決める
歌いたい曲はたくさんあっても、「これを最初の一本にする」 という決断を先に下すのが大事です。機材を揃えながら迷い続けて、一向に録らない——それが一番よくあるパターンです。曲は機材と並行して選んでしまいましょう。
MIXは外注する前提で考える
「自分でMIXまでやる」「MIXは外注する」どちらにするか、最初から決めておくと準備が変わります。最初の一本は外注するほうが、音質の壁を気にせず公開まで辿り着けます。自分でやりたい気持ちもわかりますが、まず出すことを優先するなら外注がおすすめです。
「出すこと」がゴール
「もっとうまくなってから」「機材が揃ったら」と言い続けていると、一生出ません。ボカロ曲を出し続けてきた経験から言えることですし、歌ってみたを出してみても同じでした。最初の一本は完璧じゃなくていい。出すことに意味があります。
まとめ
今回は歌ってみたの全体像と心構えをお伝えしました。
- 歌ってみたは録音・MIX・投稿の組み合わせ
- MIXは外注できる
- 最初の一本を出すことがゴール
次回は、録音に必要な機材と環境について書きます。「最低限これだけ揃えればいい」という視点で整理するので、迷っている方はぜひ読んでみてください。
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ボカロP / ギタリスト / ノベルゲーム制作者(社会人兼業クリエイター)
